NORIEI UNFINISHED OILED CORDOVAN

NORIEI UNFINISHED CORDOVAN

NORIEI(ノリエイ)ラインナップの中核を担うモデル “DERBY (ダービー)”。軍用靴の木型、いわゆるミリタリーラストを原型とし、日本人の足型特性を考慮しながら改良を加え、製作したオリジナルラスト#10を採用した短靴です。やや丸みを帯びたボリュームのあるトゥがNORIEIらしさでしょう。

同モデルの中で特に目を引くのは、アッパーに「素上げコードバン」を採用した品番。あまり聞き馴染みのない「素上げコードバン」とは最終行程の染色、グレージング(磨き上げ)加工を施していない状態のコードバンを指します。素上げ状態のコードバンはヌバックのような短い繊維層が確認でき、その繊維を平らに寝かせていくことでコードバン独特の光沢が出てきます。新品の状態から履き込み・ケアを重ねることで、履き手自身で光沢・色の変化といった仕上げ工程ををご堪能いただけます。

NATURAL

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GREY

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飴色に変化したNATURAL、ブラックにほど近い深みを増した色合いのGREYは、共に約3年着用したスタッフ私物。手入れに関しては日々のブラッシングと適度な間隔でシューケアクリームを使用した、ごくオーソドックスな方法ですが、ご覧のようにエイジングします。

シューケアクリームは弊店でも取り扱っている、フランス・SAPHIR社のNOIR CREME1925 – NEUTRALを使用しました。厳選した高級蜜ロウ(ビーズワックス)やカルナバワックスなどを原材料とした最高級のクリームは、美しい艶・栄養・保湿効果を与えてくれます。 NORIEIが手掛けるコードバンシューズの最終仕上げ工程にも同クリームを使用しています。

CORDOVAN TANNED IN JAPAN

昨今では生産されることも少なくなったピット槽による植物タンニン鞣(なめ)しの技法ですが、姫路では現役で稼働。プール状の大きなピット槽に入ったタンニン液に漬け込むことで、皮に大きな負担をかけることが少ない、太古からの伝統的な皮革の生産技法です。タンニン濃度の低いピット槽から徐々に高い槽へ移してゆき、繊維の芯までじっくり時間をかけてタンニン液を浸透させることで、肌目が細かく型崩れを起こしにくい堅牢な革が仕上がります。 コストと時間がかかり、その生産性はともすれば非効率ですが、天然素材が本来持っている豊かな味や表情を存分に引き出せる利点があります。現代に広く普及する化学薬品を用いて鞣した革との違いは、製品の経年変化が進むにつれて大きく表れます。

ある意味、未完成の革とも言える「素上げコードバン」は一般市場に流通しない為、非常に貴重な状態の革です。新たに手を加えることなく、これをそのまま使用した製品は現在NORIEIのシューズだけです。履き方や頻度、お手入れ方法によって変化してゆくスピードや表情は大きな違いを生みます。オリジナリティ溢れる貴方だけのコードバンシューズを完成させてみてください。