WASEW / PACK TEE – Short Sleeve
19SSシーズンより取り扱いが始まりましたWASEW。
もちろんロンTだけでなく、Tシャツもご用意しています。
「たかがTシャツ、されどTシャツ」そんな形容がしっくりくる一枚。
パックTという身近な製品ながら、そのこだわりぶりには頭が下がる思いです。
首元は詰まり過ぎず、シャツやジャケットを羽織った際の収まりもバランスの良いネックライン。
ネック部分に使用しているフライスはオリジナル製作しています。
着用と洗濯を繰り返すことで適度に馴染みながらも、決してヨレヨレにはならない。
Tシャツの良し悪しを判断する上で、とても大事なポイントではないでしょうか。
和歌山が誇る旧式の吊り編み機を用いた丸胴編み。
これはヴィンテージディテールを再現するだけでなく、着用時のストレスを軽減してくれる効果も担っています。
また、洗いをかけることで斜交し、独特のドレープ感が生まれるなど、経年変化にも影響を及ぼします。
体を締め付けることのない余裕を持たせた身幅。
首から肩にかけてナチュラルにフィットするライン。
絶妙な袖丈の長さ。
各部仕様がベストバランスで組み合わさることで、一枚で着てサマになるTシャツが完成しています。
更に特筆すべきは、その生地にあります。
Tシャツにとって生命線とも言える生地製作に要した月日は、実に3年。
一般的に「良い糸」とされる超長綿を使用して生地製作を試みるも、凹凸のないキレイでフラットな表面に仕上がってしまったり。
緩いテンションで生地を編んでみるも、一度の洗濯で型崩れを起こしてしまったり。
幾多のトライ&エラーを繰り返した上で、ようやく一つの答えを導き出しました。
それは、特別ではない「普通の糸」を使用すること。
普通の糸で編んだ生地こそ、デザイナー河南氏が理想とする「古着Tシャツのような質感と表情」「着心地の良さと丈夫さ」を兼ね備えるものでした。
洗いを重ねることで、もちっとした質感が生まれ、より肌に馴染んでゆく。
でも、簡単に生地が薄くなってしまったり、型崩れを起こすことなく、長く付き合ってゆける。
灯台下暗しとは言いますが、河南氏の飽くなき情熱があったからこそ辿り着いたのだと思います。
ここまでこだわって完成した生地だからこそ「店頭で手に取ってもらいたい」「触ってもらいたい」と考えるのがセオリー。
ですが、WASEWのTシャツはあえてパッケージングされています。
「デッドストックのHANESパックTを購入し、それを自分で開けるときのワクワク、ドキドキした気持ち。WASEWを購入されるお客様にも、そんな風に感じてもらいたい。」
ご自身も古着好きであり、そんな感覚を大切にされているが故のギミック。
そんなデザイナーが作っているTシャツは、蘊蓄抜きにしても「着てみたい!」と思ってしまう逸品です。