VINTAGE / 1950’s FRENCH MILITARY DESERT SANDALS – DEAD STOCK
とても希少なサンダルがデッドストックで入荷しました。
主に1950年に熱帯砂漠地域で活動するフランス軍部隊に官給されていた”FRENCH MILITARY DESERT SANDALS (フレンチミリタリーデザートサンダル)”のご紹介です。
まず、ご覧の通りのスタイリッシュなルックス。
今から60年以上前に生産されていた物とは思えないほど、ファッションに溶け込んでいるのは驚きです。
デザインやマテリアル使いも、現代のサンダルに負けずとも劣らない出で立ち。
その希少性のみならず、単純に「カッコいい」と思わせてくれるサンダルです。
これが正装用のアイテムとして軍に採用されているのも、フランスという国のセンスが存分に表れているような気がします。
五指を覆うトゥストラップと、甲+踵(かかと)をホールドしてくれる2本のストラップによってフィットさせる構造。
全体的なナロー(細身)シルエットもデザインバランスの良さの一因なのかもしれません。
肉厚なスウェード素材のストラップがミリタリーアイテムらしい無骨さを演出しながらも、どこかエレガントな雰囲気を漂わせています。
今回入荷した個体は全てフランスの老舗シューズファクトリーMarbot(マルボット)社製。
サンダル以外にもサービスシューズをフランス軍に納入したり、現存する某ブランドのドレスシューズをOEM生産するなど、その技術力の高さや製造ノウハウを各方面より支持されていた優秀なファクトリーです。
丁寧な仕事ぶりが窺えるヒールに打たれた化粧釘。恐らくこの時代では、現代のような装飾の意味合いは薄く、トップリフトに使用される化粧板の固定を意図したものだと推測されますが、サンダルでは珍しい仕様だったに違いありません。
また、極めつけはレザーソールのヒドゥンチャネル仕上げ。
アウトソールの表面に縫製糸が見える仕様をオープンチャネルと言いますが、ヒドゥンチャネルはそのステッチが表に出ないよう仕上げられています。本底の縁を革包丁で薄くめくり上げ、その部分を残し出し縫いをかけます。縫い付けた後にめくり上げた革を閉じ伏せることで縫い糸が見えないように隠れ、スマートな仕上がりになる技法です。
時間と手間を必要とし、熟練したスキルを必要とする仕上げですので、高級ドレスシューズに用いられることはあっても、まずサンダルでは到底考えられない贅沢な仕様と言えるでしょう。
既にフランス本国でもサイズ・コンディションの良い個体は減少の一途を辿っています。
今回は奇跡的に複数点がご用意できましたので、ぜひ貴重なこの機会にご覧ください。