SASSAFRAS / WHOLE HOLE JACKET – BLACK OXFORD
ここ数シーズン探していたカバーオール。お店で扱うことはもちろん、個人的にも欲していたアイテムの一つですが、これがなかなか見つかりません。確かにトレンドとは無縁のせいか、街中を闊歩している方を見渡しても、着用している姿を見かけることも少ないとは感じていました。いえ、厳密に言うとアメリカの老舗ワークブランドなんかは、継続的に作り続けているアイテムでしょう。ただ、それはそれでシルエットや素材感によって野暮ったくなりがち。ワークウェアさながら、それらを踏まえ、どこかこなれた雰囲気のカバーオールを探していました。
「自分がイメージしたワガママだらけのカバーオール。そんな都合よくあるわけがない。」以前から愛用している数年前のササフラスのデニムカバーオールや古着のカバーオールを騙し騙し着回しては、半ば諦めモードになりつつありました。
そう思っていた矢先、やっぱりササフラスがやってくれました。2016年ニューモデルとしてリリースされた”WHOLE HOLE JACKET(ホールホールジャケット)”。探し求めていた理想のカバーオールに出会えた気がしています。
ヴィンテージアイテムとしても人気が高い、1940年代のU.S.ARMYカバーオールよりインスピレーションを得たデザイン。ガーデニング作業を想定し、加えられたディテール群。SASSAFRASデザイナー高城氏が提案する、少し肩を落としたルーズな着こなし「オルタナティブ=フィット」を体現するに相応しいシルエットパターン。
ファブリックにはコットン・ナイロン混紡のオックスフォードを採用。独特のハリとコシ、やや光沢のある上品な印象の生地ですが耐久性にも優れています。カバーオールに使用するには意外な気もしますが、ワークウェアとして、また街着としても違和感のないファブリック使いはササフラスらしいチョイスと言えそうです。
この辺りの要素を足し引きする加減によってプロダクトの印象は大きく左右されますが、ならではの絶妙な塩梅は流石。オリジナリティ溢れる商品として完成します。
最も特徴的なディテールとして目を引く、左右の仕切りを3つずつ備えた袋状のポケット。これは穴掘り用のガーデニングツール(ディブル)を収納するイメージで設けられました。デイリーユースとして着用した際も収納物を小分けに整理できる為、ポケットの中が散乱せず、大変便利に使えそうです。その上に更に大きなオーバーポケットを施したレイヤード構造は、収納機能がUPすることはもちろん、スナップボタンを付属することでポケット内部に手を入れる姿勢がとり易くなっています。ポケットの下角をカットオフしたコーナードロップ仕様も、ワークウェアながらどこか柔らかい雰囲気をもたらしてくれるディテールです。
厳冬期に植物が成長しづら厳冬期はガーデニング作業をする機会も必然的に減ります。よって、ヘビーアウターを着る必要性が乏しいササフラスにとって、真冬の寒さにも対応できるラインナップは大変希少。
ライニングにはナイロン地のウェーブキルトをボンディング。ちらっと覗く裏地のデザイン性の高さも然ることながら、中綿が偏ってしまうことを防止するための仕様でもあります。
袖周りのディテールワークもヴィンテージのカバーオールをしっかり踏襲。インナーアイテムによって、また着こなしに変化をつける際に調整できるのも嬉しい機能性です。
以前のJOURNALでもご紹介しました同型パンツ“WHOLE HOLE PANTS(ホールホールパンツ)”とセットアップでコーディネート頂くのもおススメ。ぜひ店頭にてご覧ください。